沖縄から“未来を動かす人材”を育てる
- FROGS Corp
- 11月26日
- 読了時間: 7分
SAP × 沖縄ビジネスソリューション専門学校(OBS)が描く、学びと成長の新しいかたち
世界の企業を支える「SAP」とは?
世界190か国以上の企業で導入されている業務基幹システム「SAP(エスエーピー)」。販売・購買・人事・会計・生産といった、企業のあらゆる活動を一元的に管理し、経営の効率化やデータ分析を支える“ビジネスの心臓”とも言えるシステムです。
企業の裏側を支える存在であると同時に、世界中の企業が共通して使用しているため、「ビジネスの共通言語」とも呼ばれます。
その仕組みを理解し、企業の課題を解決へ導く人材は「SAP人材」と呼ばれ、今、世界中の産業界で求められています。
沖縄でも、このシステムを学び、地域からグローバルに通用する人材を育てる動きが始まっています。今回お話を伺ったのは、SAPジャパン株式会社 常務執⾏役員 SAP Labs Japan マネージング・ディレクターの原 弘美さん、そして沖縄で新たに誕生した学校法人OBS 沖縄ビジネスソリューション専門学校の理事長・宜保 直哉さんです。
SAP人材とは、「仕組みをつくり、世界を動かす人」
「社会は思っているほど完成していません。 だから、若い人が“自分の手で変えていける”余白がたくさんあるんです。」
そう話すのは、SAPジャパン株式会社 常務執⾏役員 SAP Labs Japan マネージング・ディレクターの原 弘美さん。

SAPで提供しているシステムは、販売や購買、人事、会計といった企業の“血流”を整えるように、会社の中を流れる情報をつなぎ、動かす仕組みです。
「SAPは、企業の“裏側の仕組み”を支えるシステムです。 でも、それを扱うのは“人”。 つまり、SAP人材は“仕組みを通じて世界を動かす人”なんです。」
「うまくいっていないことを良くしたい」──その気持ちが原点
原さんは、SAP人材に必要なのはスキルよりもマインドセットだと話します。
「うまくいっていないことを“どうすれば良くなるか”考える力。 それがSAP人材の根っこにあります。 仕組みを知るのは手段であって、本質は“変えよう”という想いなんです。」
企業の現場には、効率化だけでなく「人の気持ち」や「文化」も絡みます。システムを導入するには、技術と同じくらい共感力が必要です。
「結局、システムを使うのは人。相手の立場で“どうしたら仕事がやりやすくなるか”を考えられる人こそ、いいSAP人材だと思います。」
世界に通じる“ビジネスの共通言語”を学ぶ
SAPのもう一つの魅力は、世界共通のビジネスプロセスを学べる点です。
「SAPの良いところって、世界中で同じ仕組みを使っていることなんですよ。 会計処理とか在庫管理とか、どこの国でも“ビジネスの流れ”は同じで、SAPを学ぶとそれを共通言語のように理解できるようになります。だから、海外の企業でもすぐに会話ができるんです。」
この“共通言語”を理解することで、グローバルに通用する力が身につくといいます。日本の企業が海外展開を進める中で、SAPを理解する人は“現場と世界をつなぐ通訳”のような存在になります。
「SAP人材になると、会社の構造が見えてきます。 社長の考えから、現場の動きまでつながっていることがわかるんです。若い人でも“ビジネス全体”を俯瞰できるようになります。」
AI時代にこそ問われる「人を動かす力」
近年は、AIや自動化技術の進化により、企業の業務スタイルも急速に変化しています。しかし、原さんはそれを“脅威”ではなく、“チャンス”と捉えています。
「AIは今まで面倒だった作業を肩代わりしてくれる存在です。だからこそ、人には“課題を見つける力”と“人を動かす力”が求められる。つまり、人間らしさの価値が高まっていくんです。」
原さんは続けて、“システムは動かすことが目的ではない”と語ります。
「システムをどんなにアップデートしても、それを使う人が理解していなければ意味がありません。テクノロジーは人のためにあるので、“どう使うか”を考えられる人が大切なんです。」
彼女が語る“人を動かす力”とは、技術力ではなく、課題発見力と共感力。どんなにテクノロジーが進んでも、「問題を見つけるのは人」であり、「組織を変えるのも人」だといいます。
「テクノロジーだけでは社会は良くならない。そこに“人の気持ち”を組み合わせて初めて価値が生まれます。」
学び続けることが、未来を拓く力になる
「SAP人材に共通しているのは、“学び続ける力”です。一度覚えた技術で満足せず、常に次に何が起きるかを考える。その姿勢がキャリアを伸ばしていくんです。」
SAPの世界では、技術も業界も常に変化しています。だからこそ、原さんは「学び続けられる人が一番強い」と話します。
「一つの会社にいながら、何十もの企業を見てきたような経験ができます。それがSAP人材の面白さ。 同じ場所にいても、世界の変化を感じながら働けるんです。」
「地域だからこそできる」学びへの共感
原さんは、地域に根ざした学びの重要性にも触れました。全国の教育機関と連携しながら人材育成を進める中で、沖縄ビジネスソリューション専門学校(OBS)の取り組みにも期待を寄せています。
「地域の教育って、本当に大事だと思います。 “沖縄だからできない”ではなく、“沖縄だからこそできる”ことがある。そこに誇りを持てる学びが広がってほしい。」
地域で学び、地域で働くことが“閉じた選択肢”ではなく、世界につながる入り口になるような教育。OBSのように「地域に根ざしたグローバル教育」を育める場所が増えることを願っています。
「地元にいながら、グローバルに活躍できる」
――OBS設立の背景にあった、ひとつの想い
続いて話を伺ったのは、学校法人OBS 沖縄ビジネスソリューション専門学校 理事長 宜保直哉さん。

母体となる「沖縄ビジネスソリューションズ株式会社」は、県内で数少ないSAP導入支援企業です。 宜保さんはその現場で、ある課題に気づいたといいます。
「優秀な人材を採用しても、沖縄にはITを学ぶ機会が少ない。 ならば自分たちで育てようと思ったのが、専門学校設立のきっかけです。」
さらに宜保さんは、会社の本社を沖縄に置いた理由についてもこう語ります。
「私たちが沖縄に本社を置いたのは、やっぱりここ沖縄で若い人たちにチャンスをつくりたかったからです。人が足りないと言われるけど、育てる環境さえあれば沖縄の人はすごく力を発揮できると思っています。」
“人がいないからできない”ではなく、“人を育ててつくる”。その覚悟が、OBS誕生の原点でした。
「沖縄にいながらグローバルに活躍できる人を育てたい。 沖縄からSAPの専門人材を輩出したいと思っています。」
学びの現場は、社会とつながっている
OBSのカリキュラムは、単なる座学ではありません。 企業実習、グループワーク、地域イベントなど、実践的な学びを重視しています。
「学生が自分で考え、動く。 社会とつながりながら成長していくような授業設計にしています。」
企業との連携授業では、SAPパートナー企業のエンジニアが直接講義を担当することを予定しています。また、浦添市などの自治体と連携し、学生主体の地域課題をテーマにしたプロジェクトも行われています。
「学校が地域に開かれていることで、学生の学びが“現場の課題解決”につながる。それが大きな強みだと思っています。」
世界とつながる教育 ― SAPユニバーシティアライアンス
OBSは、世界中の大学・専門学校が加盟するSAPユニバーシティアライアンスにも加盟しています。SAP社の最新教材を使い、世界標準の教育を地域に届けることができる仕組みです。
「日本だけでなく、海外の学生と同じ教材を使って学べる。その経験が、沖縄の若者に自信を与えています。」
学生たちはSAPのグローバルカンファレンスにも参加でき、 “沖縄から世界へ”という感覚を肌で感じ取ることができます。
地域に根ざし、世界へ挑戦する人材へ
「ITの経験がなくても大丈夫。大切なのは“やってみたい”という気持ちです。」
専門知識よりも、まず“前向きな一歩”を踏み出す勇気を重視しているのです。
「日々の成長を楽しめる人になってほしい。 変化を恐れずに、一歩を踏み出してほしい。」
その一歩を支えるために、OBSでは学びと地域をつなぐ環境を整えています。学校が“地域の成長エンジン”となり、若者が“地元にいながら世界を目指せる”仕組みを生み出しているのです。
学びが、未来を動かす力になる
原さんが語った「未来をハックできる若者」と、宜保さんが描く「地域で育つグローバル人材」。立場は違っても、二人の言葉は同じ方向を指しています。それは、“教育を通じて地域の未来をつくる”という信念。
沖縄から世界へ。
地域と世界をつなぐ人材が、ここから育っていく。
「教育は、地域の未来をつくる力になる。」
沖縄ビジネスソリューション専門学校 生徒募集中!
詳しくはこちらへ👉️https://obs.ac.jp/
あなたの挑戦も、ここからはじまる。
LEAP DAYは「未来をつくる人づくり」をテーマに、企業・行政・教育・地域が交わりながら次世代を育てる学びと出会いのフェスティバルです。
挑戦する人、支える人、そして未来をともに描く人たちが集うLEAP DAY。ぜひ会場で、あなたの“次の一歩”を見つけてください。







コメント